エイミ:「え、えーーーいっ!」

ぼぉぉぉん!

ティオ:「うわっ、鍋がっ!」
一気に小麦粉まみれになる。
ティオ:「な、なんで小麦粉を鍋に投げるっ!?」
エイミ:「あのお料理の本に、小麦粉をお鍋に投入と書いてあったんですが」
本当に投げちゃダメだ。投げちゃ。
エイミ:「大丈夫です、ちゃんとクラウお嬢さまの代わりにおいしいお料理を作って、お礼をさせていただきます!」
ティオ:「料理……って」
台所は粉まみれ。
あと、食器もすでに数枚破壊済。
フィー:「危険な薫りがするのぅ」
フィー:「わしは朝の散歩と称してこの場から逃げようと思います」
フィー:「彼女を入室させた責任追及を受けた場合、人外である存在をフルに生かして、
文化の違いとか言いつつトボける方向で」
本音を言って去っていくな、こら。
エイミ:「はうぅぅ、小麦粉が……けほけほっ」
ティオ:「大丈夫か、エイミ?」
エイミ:「もちろんです、けほっ!」
いや、全然大丈夫そうじゃないだろ。
エイミ:「えっと、次は砂糖を……」
今度は、砂糖壺を振り上げる。
……って、中身だけじゃなく壺ごとか!
アイナ:「あらあら〜、大変なことになりそうね♪」
ライカ:「けほけほっ、小麦粉が鼻に入ったぁ〜っ」
アイナ姉さんは、うふふと笑ってみてるし。
ライカは、離れてたくせになぜか小麦粉の襲撃を受けて咳き込んでる。
ダメだ、あの二人はストッパーにならない。
エイミ:「砂糖投入、行きます!」
ティオ:「ちょっ、ちょっと待とう、エイミ」
急いで、壺ごとエイミの手を拘束。
エイミ:「きゃあっ! な、なんでしょうかっ!?」

ティオ:「砂糖をいれるとしても……スプーンでそっと入れような」
エイミ:「え?」
ティオ:「壺ごと鍋に入れたら、俺たちは砂糖壺の破片入り料理を食うことになりそうだろ」
エイミ:「……あっ! なるほど!」
できるなら、もう少し早く気づいてくれると嬉しいぞ。


       

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